【相続】で仲の良かった姉妹に亀裂が入った事例
相続は、家族にとって重要な分岐点です。しかし、その分配を巡り感情が対立すると、家族関係が壊れるきっかけになることもあります。今回は、母親の遺産1,000万円を巡り姉妹間で揉めた事例をご紹介します。この事例を通じて、相続問題の難しさとその解決方法について考えていきましょう。
家族構成と相続の背景
今回の家族構成は以下の通りです。
- 母(被相続人):相続財産は1,000万円。亡くなるまで自宅で生活していた。
- 姉(45歳):独身で事務職。母と同居していたが、母との関係は良好ではなかった。
- 妹(40歳):主婦で子育て中。パート勤務。母とは仲が良く、頻繁に連絡を取り合っていた。
母の死後、相続財産の分配を話し合う中で、姉が「母と同居して面倒を見てきた自分が多く相続するべき」と主張。一方、妹は「母との関係が良かった自分にも正当な権利がある」と反論し、話し合いが平行線をたどることになりました。
揉めた原因と姉妹の主張
姉の主張
姉は「自分が母と同居し、日常的な世話や家事を負担してきたため、その労力を考慮すべき」と訴えました。母との関係がぎくしゃくしていたとはいえ、亡くなるまで一緒に暮らしてきた責任感を強調しました。また、独身で一人暮らしの姉にとって、相続財産は老後の生活のためにも重要だったのです。
妹の主張
妹は「母との関係が良好であり、感情的なつながりも深かったため、相続財産は公平に分けるべき」と考えていました。また、自分には子供がいるため、家庭の将来を支えるためにも相続財産が必要だと訴えました。
このように、姉は「貢献度」、妹は「公平性」を重視し、それぞれが自分の主張を曲げませんでした。
専門家の介入で解決を模索
相続問題が行き詰まる中、姉妹は弁護士と税理士を交えた専門家に相談しました。専門家は以下のような観点から解決策を提示しました。
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法定相続分の確認
法律上、姉妹それぞれの相続分は1/2ずつ(500万円ずつ)と定められています。しかし、姉が「寄与分」を主張することで、相続分の修正が可能かどうかを検討しました。 -
感情的なわだかまりを緩和する調整案
専門家は「姉に少し多めの相続分を認める代わりに、妹が金額の一部を譲歩する」という妥協案を提示しました。この案では、姉が600万円、妹が400万円を受け取る形に。これにより、姉の貢献を一定程度評価しつつ、妹にも配慮するバランスを取りました。 -
家庭裁判所の調停も視野に
最終的に合意に至らなかった場合は、家庭裁判所での調停を提案しました。これは、法的な判断をもとに公平な解決を目指す手続きです。
相続を円満に進めるために
この事例からわかるのは、相続問題は感情的な要素が絡みやすく、当事者同士だけでは解決が難しいということです。円満な相続を進めるためには、以下のポイントが重要です。
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生前の意思表示
被相続人が遺言書を作成しておけば、分配に関するトラブルを未然に防げます。 -
家族での事前の話し合い
生前に家族全員で相続について話し合い、希望や不安を共有することが大切です。 -
専門家への相談
税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーに早めに相談することで、スムーズな手続きとトラブル防止が期待できます。
このような取り組みを通じて、相続が家族の絆を深めるきっかけとなることを願います。
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