【FP 大阪】2024年1月施行の「相続税及び贈与税の税制改正」とは?
投稿日:2024.02.26
2024年から贈与に関する税制が変わることをご存知でしょうか?
それは、「相続税及び贈与税の税制改正」です。この改正を正しく理解して活用するとしないとでは、支払う相続税額が変わってしまう可能性があります!
ご家族に生前贈与を検討している方は、ぜひ理解しておきましょう☆
そもそも「贈与税」って?
その時に贈与税がなければどうなるでしょうか?
例えば、1億円の財産がある場合、亡くなる直前に家族に1億円を贈与してしまえば、死亡時に財産がゼロになり、相続税はかかりませんし、家族も使い切れない財産を亡くなる前に別の家族に贈与すると、また相続税がかかりませんよね。
つまり、贈与税がないと、相続税が有名無実化してしまうのです。その為、相続税と「セット」で贈与税というものがあり、贈与税の方が相続税より税率が高めに設定されているのです。
2種類の相続税
現在の贈与税には暦年贈与と相続時精算課税の2種類がありますが、それぞれ改正されたことで、位置づけが異なっているので注意が必要ですよ!
暦年贈与
【現在の制度】
贈与を受けた人ごとに年間の受贈額の合計から基礎控除110万円を控除して税を計算する方法となっています。
年間合計額が対象となるため、いろんな人から110万円以内の贈与を受けても、その合計額で課税されます。この贈与のうち相続開始前3年以内に行われた贈与については、相続財産に加算して相続税を計算(生前贈与加算)することになっていますので、贈与税と相続税の二重課税になります。
そこですでに払った贈与税は相続税から税額控除を行います。これを贈与税額控除と言います。
【改正後】
2024年の贈与から生前贈与加算の期間を徐々に引き上げ、2031年開始の相続から7年分となります。
実際は身近な人の死や自分の健康状態が不安になったときから行おうという人がほとんどのため、亡くなる前7年以内という贈与の効果がなくなるタイミングが計れず、この制度を活用する人は少なくなる可能性が見込まれます。
相続時精算課税
【現在の制度】
60歳以上の父母、または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合、2500万円までであれば贈与税がかからず相続税の対象とするという制度です。注意点としては、こちらを選択すると暦年贈与には二度と戻れません。
贈与額が累計で2500万円を超える場合は、その額の20%の贈与税を申告することになります。
【改正後】
新たに年間110万円の基礎控除枠が設けられました。
これにより、相続時精算課税を選択すると年間110万円までは贈与税が課税されず、贈与額が相続税の計算に取り込まれることもありません。
なお、110万円を超えた分の累計が2500万円までは贈与税がかからず、相続時に相続税の対象となります。
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