【FP 大阪】お金が足りない!で慌てたときの疑問。育休中の就労はOK?
投稿日:2023.10.03
子どもができたら、養育のための費用として、生まれる前から貯蓄を始める子育て家族が多いと思います。しかし、予想よりはるかに出費が多いことはありませんか?一人親であったり、母親が育休に入ってしまうと、その期間の収入は減ってしまうため、出費が多いと貯蓄があっというまに消費されてしまいます。
現代、様々な理由から物価が高騰し生活費等の上昇もある中、育休中に在宅ワークで少しでもお金を稼ごうと思いつつも、それがOKなのか分からず動き出せていない人もいるのでは・・。そこで今回は、育休・育休中の就労についてまとめてみました。
育児休業について整理しよう!
育休とよく耳にする言葉や、職場で使っている人を見かけることがあると思います。
しかし育児休業に関する制度について詳細を知る機会はあまりないと思いますので、ここでいったん整理しましょう!
<育児休業>
子が1歳(最長で2歳)に達するまで(父母ともに育児休業を取得する際は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間)、申し出により育児休業の取得が可能
と定められています。また令和4年に男女ともに仕事と育児を両立することを目的として、産後パパの育休制度を新しく創設し、様々な措置の義務化を行うなど育児・介護休業法が改正されました。新しく制定された産後パパ育休制度の概要は以下の通りです。
<産後パパ育休制度>
子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割して取得が可能。
労使協定を締結した場合は、労働者が合意した範囲で休業中の就業も可能
上記の制度の創設には男性の育休取得率の低迷が理由といわれています。実際厚生労働省が発表した、令和2年4月1日~令和3年3月31日までに育児休業を終了し、復職した男女が取得した育児休業期間を表したグラフをご覧ください。
《男女の育児休業の取得期間の状況》
調査対象:各事業所で調査前年度1年間に育児休業を終了し、復職した者
資料出所:厚生労働省「雇用均等基本調査」
女性では12か月~18か月未満、男性で5日~2週間未満が過半数を占めることに。男性の育休取得率が低いことが分かります。女性は1年~1年半休業期間を得ている人が多いことが分かります。ただ思いがけない出費やパートナー都合による収入の減少などが起きた場合、育児休業期間内に就業をしなければいけなくなる場合があるかもしれません。
育児休業中に就業はOK?NG?
育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度なので、本来であれば休業期間中に就労することは想定されていないと構成労働省は発表しています。
では、育休中の就労は禁止なのでしょうか?
そうではありません、一時的・臨時的に“その事業主の下”で就労することはできます。言い換えればイレギュラーな業務対応の必要が生じたときのみ可能といえるでしょう。
育児休業中に働いたら、育児休業給付金は減ってしまうのか?
育児休業中に就労したとしても、1支給単位期間に就労している日数が10日以下であれば育児休業給付金はきちんと支給されます。
支給額は原則、以下のように算出されます。
賃金月額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
では育休中に就労したらどれぐらい減額となるのでしょうか?
①賃金が賃金月額の13%を超えて80%未満の場合
⇒[賃金月額×80%] と賃金の差額が支給額となり減額されて支給される
②賃金が賃金月額の80%以上の場合
⇒支給なし
本業ではなく、副業の場合は?
自社以外から支払われた賃金や報酬は、育児休業期間を対象として支払われた賃金の算定に含まれません。つまり、副業での収入は育児休業給付金の総額の減額は発生しません。ただ就業日数の算定には、副業先での就業日数も含まれるため注意が必要です。
また日本の法律的にも育休中に副業による収入を得ることは違法ではないので、本業での一時復帰(就業)が厳しいママさんには副業がおすすめです。ただ会社として副業を禁止している場合も少なくありませんので、必ず確認をしてから行うようにしてくださいね!
育児休業給付金にも上限、下限あり!
育児休業給付金の算出方法にある、休業開始時の賃金日額は、原則として育児休業開始前6か月間の総支給額を180で割った金額となります。
休業開始時賃金日額が下限以下の方でも、最低でも育児休業給付金の下限額は受け取れることになるので安心ですね!
出産後は忙しいけれど、申請を忘れるべからず!
育児休業給付金は申請しなければ受け取ることができません。
そのため必ず忘れずに申請を行ってください。
①勤務先の担当部署に育児休業給付金の申請を行う旨を伝える
②必要書類をそろえる
③勤務先の担当部署に必要書類一式を提出する
※基本的には勤務先経由で申請、必要に応じて個人でも申請可能
個人で行う場合は勤務先の所在地を管轄するハローワークにて申請手続きが必要となります!
※期限として育休開始の1か月前、自分で申請をする場合は育休開始から4か月後の月末が申請期限となります。忘れずに行ってくださいね!
育児休業の基本から、就業した場合の給付金計算などをご紹介しました。育児休業中にお金が必要になり、就労が必要になっても条件を満たさないと本業では働けない可能性もあります。事前に会社等の規約をきちんと読み、育児休業中の就労の可否を確認するとよいでしょう。在宅ワークなど、副業として働くのであれば問題なく、育児休業給付金も支払われますが、身体が資本ですので無理をしないことが大切ですね!
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